分野の概要
1977年に火山噴火予知研究を目的として設置された有珠火山観測所が母体となったグループで、 全国の大学や気象庁などと連携し、地球物理学的手法に基づいた研究観測を推進しています。 現在は、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳の道内主要5火山のほか、登別火山に観測施設を設け、日々観測を続けています。 観測データは札幌キャンパスおよび壮瞥町の有珠火山観測所に、光回線や携帯電話回線などを通じてほぼリアルタイムで伝送されています。
分野の使命
火山噴火予知の実用化が我々の使命です。気象庁が推進している「噴火警戒レベル」の導入も噴火予知研究成果の1つといえるでしょう。
マグマが地表に近づく過程で、火山周辺では様々な現象が見られます。地盤の隆起・伸長、噴気の出現や消長、火山性地震や微動の増加・震源位置の移動、電磁気・重力変化、火山ガス組成の変化、温泉の水温・水質の変化、地熱活動域の拡大などなど…。
これらの現象は、火山からのメッセージを逃さずに捉え、メッセージの意味を正しく総合的に解釈し、活動の推移を科学的に予測することが求められているのです。
火山活動の観測は概して長期戦になります。噴火活動の開始については、事前に予測できる場合も増えてきましたが、噴火規模の予測は難しい問題です。噴火が始まって以降の活動の変化や噴火の予測、活動の終息時期などについての予測も非常に難しい問題です。
北海道の火山で噴火が発生した時に、適切な判断、予測、対応ができるよう調査・研究を進めています。